【日本伝統芸能振興会設立の趣旨について】
日本の伝統芸能は、推古帝20年(AD612)一種の仮面劇たる伎楽が中国大陸から流入され、続いて入った雅楽・散楽の外来芸能が、従来から存在した日本固有の神事や民俗芸能に影響を与え、次第に、農耕生活と深い関わりを持つかたちで、民族的発展を遂げて行きました。
まず平安朝の貴族文化時代には雅楽、鎌倉・室町の武家文化時代には能狂言、そして江戸の権力の保護を得ない市民文化時代として、人形浄瑠璃と歌舞伎がそれぞれ生まれました。特に歌舞伎は、農耕民族の祭祀として、観るばかりでなく、自らが演ずるものとしても都市や農村に定着行ったのです。
そして明治維新から現在までの百三十数年間に、これらの伝統芸能も様々な体験を通して変貌し、市民自らの文化とは、一線を画した様相で命脈を保ってきました。
例えば歌舞伎は、江戸時代より昭和の前半まで、「大歌舞伎」(大芝居)、小芝居、地芝居という三つのジャンルがあり、互いに影響を与えあいながら存立しました。
しかし小芝居はGHQの占領政策で価値観の変化への行政対応ができず、昭和40年代にすべての興行が終わってしまい、全国に二千とも四千とも言われた地芝居も、現在百五十八の保存目的の団体が残っているのみなのです。
これは、独自の文化・芸能をも経済活動の一環としてしか評価しなかった高度成長経済以降の日本社会が生んだ結果で、ひとつの過ちであったのではないかと考えています。
我々は、日本の伝統芸能の正しい存続と発展を願い、同様の願いを持つ市民の皆さんにに広く呼びかけ活動するため、特定非営利活動法人「日本伝統芸能振興会」を設立します。
【日本伝統芸能振興会と舞台創造研究所】
“舞台創造研究所・柝の会”は平成元年に、歌舞伎愛好者の団体として発足し、当初は主としてセミナーや会報の発行等の活動を行ってきました。
その後、歌舞伎フォーラム公演、ネオリアル歌舞伎公演などの自主公演も多数手がけ現在に至っています。
発足当初から続いていた“柝の会セミナー”には、平成19年5月にその役目を終えたと判断し、会員の自主運営としました。 日本伝統芸能振興会は、この“舞台創造研究所”の活動を始め古典芸能全般を支援するNPO法人です。